
芝浦工業大学システム理工学部
電子情報システム学科
井岡 惠理 准教授
会報にも載せていましたが、現在は芝浦工業大学システム理工学部電子情報システム学科に勤務しています。

デジタルオシロ等の計測機器の使い方など、実験や研究室で学んだことは現在も役立っています。

山梨県立リニア見学センターにて。学科の見学会で色々行かせていただいてとても面白かったです。
芝浦工業大学は都内の豊洲キャンパスとさいたま市の大宮キャンパスの2つのキャンパスがあり、私は大宮キャンパスに勤務しています。大宮と名前にありますが、大宮から宇都宮線で2駅はなれた東大宮という駅が最寄りになります(笑)。大宮や都心のベッドタウンとして開発されていますが、自然も沢山残っている長閑な地域で、大学がある見沼区には見沼田んぼという首都圏に現存する大規模緑地空間があります。家賃も大宮駅以南に比べて安価で、スーパーや飲食店が揃っているので生活には便利です。また東京上野ラインや湘南新宿ラインで都心へ30分ほどで出られるため、卒業後も東大宮に住み続ける学生さんもいるそうです。
大宮キャンパスには、システム理工学部の1年生から4年生、工学部とデザイン工学部の1年生と2年生が通っています。システム理工学部は、電子情報システム学科、機械制御システム学科、環境システム学科、生命科学科、数理科学科の5学科からなっています。学部の名前に「システム」とついているとおり、システム工学に力を入れていて、5学科混成のチームでPBL(Project Based Learning)を取り入れたグループワークを行う演習もあります。サークル以外での他学科との交流が初めての学生さんもいるので初回のミーティングでは遠慮がちなのですが、回が進むにつれて和気藹々と楽しそうにディスカッションを行なっています。この演習を通じて卒業まで交流が続いたりするそうです。



広いので正門から研究室がある建物(写真右) まで少し時間がかかります。特に夏は歩くのが厳しい。
私が所属している電子情報システム学科について少し話をさせていただきます。学科名に電子と情報が入っているので、ハードウェア分野からソフトウェア分野まで幅広く学ぶことができる学科です。1年生の専門科目ではそれぞれの分野の基本的なことを学びます。
2年生後期から3年生にかけてソフトウェア系またはハードウェア系の専門科目を選択し、3年生で選択必修のソフトウェア実験かハードウェア実験のどちらかを履修します。この実験でどちらの分野を選ぶかがほぼ決まるのですが、昨今はAIなどのITブームですので、やはりソフトウェア系を志望する学生さんが多いですね。(ここ数年、ハードウェア系の人気は低迷しています^_^;) 卒業研究の配属は4年生からで、一研究室につき毎年大体6名から8名の学生さんが配属されます。
私の研究の話をさせていただきます。研究室は「非線形システム研究室」の名称で,一期生の学生さんからは、「何をやっているのか分かりにくい名前」と言われました。(現在は学科内の知名度も出てきたのでもう少しこのままにしておこうと思っています)
主に生命活動に関連する非線形現象のモデル化とその解析をメインテーマに研究しています。ただ、生命活動に限らず非線形現象はさまざまな場面で見られるので、実験や計測で得られた時系列データから力学系を見出し、ノイズか非線形現象のカオスかの判別を行なって、異常検知に応用する研究も行っています。また時系列データの解析方法は非線形性をもつ生体信号の解析に活かせます。そこで脈派からヒトの快・不快情動の計測について、変動の複雑さの非線形性を定量化する研究も行っています。

教員部屋

学生部屋。ノートパソコンが必携なので、学生さんは自分のパソコンを使うことが多いです。

研究室で一番高価な機材は計算サーバです。
生体信号の計測がご専門で電電の井出研ご出身の淺野 博俊准教授(工学院大学)と共同で研究を行ったりもしています。他にもraspberry Piとセンサーを使って容積脈派計の作成をし、実際にその脈波計で計測した脈波のデータから疲労度(ストレス)を測る研究も行ったりしています。
ハードウェア系の講義を担当しているので学生さんからは、回路屋さんだと認識されていますが、本業は解析なので研究ではプログラミングも使用します。最近は、ソフトウェア系に進んだ学生さんが配属されることも多いです。電電の先生方の研究室のような活気ある研究室を目指していますが、なかなか思うようにはいきませんね。悪戦苦闘しながらも研究室運営にあたっています。

今年のオープンキャンパスの様子。研究室の学生さんが高校生に研究紹介をしてくれています.